トイレを汚すべきか
トイレに付着した尿石、赤カビ、黒カビでお困りではありませんか? でも防カビ剤(カビ取り剤)を使うともっと酷い事になります。 不思議に思われた方は、ぜひご覧ください。
いきなり、結論
皆さん、こんにちは。 尿石取って30年。私が夏目尿石です。
このページに来られた方は、トイレのカビ、尿石にお困りの方だと思います。 及ばずながら、お役に立てれば幸いです。
ところで、皆さんのトイレはどの様な状況でしょうか?
-
【状況】便器に赤カビが生えた場合
-
【判定】尿石が蓄積している!
- 【対応】
-
-
赤カビを暫く放置し、尿石を分解しましょう
-
カビ取り剤の使用は不可
-
サンポール等の尿石除去剤は要注意
-
【状況】便器に黒カビが生えた場合
-
【判定】尿石は蓄積していない
-
【対応】
-
-
黒カビはアレルゲンになる可能性があるので、即掃除(水洗い)
-
カビ取り剤の使用は不可
-
サンポール等の使用は不要
上記に、興味が湧いた方は、ぜひ本編をお読み下さい。(30分程度)
面倒くさいと思った人は、ボタンを押して結論をご覧ください。
でも理由が分からずモヤモヤした方は、後日、戻って来て下さい。
用語について
トイレ各部の名称については【図】の通りとします。
(間違っているかも知れませんが、本頁では、これで統一します)

面倒で非効率なトイレ掃除
皆さんは、おトイレの掃除どうしていますか?
私の家では住み始めてから、だんだんと尿石が蓄積する有様でした。 何度も掃除しましたが、なかなか取れません。 サンポールを使えば、「鉢」では多少の効果はありますが、「水溜り」では塩酸の濃度が下がり効果なしです。 その結果「水溜り」には、尿石が0.5mm厚にもなっていました。
でも、あるきっかけで、トイレ掃除をしなくても済む様になりました。
その転機とは?
不思議な事に、尿石の上には赤カビが直ぐに繁殖するのです。 カビはスポンジで擦れば容易に取り除けるので、特に気にはしてはいませんでした。
でも変ですね。
なんで尿石に赤カビが付くのか? 閃きました。
「赤カビは尿石に含まれるミネラル分が欲しいのだ。 それは多分、リンだろう」
ならば、
-
赤カビをどんどん繁殖させれば、尿石は瘦せ、ついには消滅する。
-
尿石が消滅すれば、赤カビも消滅する。
-
その後、再度、尿石が付着し、また赤カビが付く。
-
延々と、1~3の栄枯盛衰が繰り返される。
と考えました。
【グラフ】のイメージですね。

一回目の実験(’18年?~’20年?)
その日からトイレ掃除は止め、赤カビの成り行きを観察しました。
ところが、現実は
1.赤カビが「鉢」全体に繁殖。
2.その後、赤カビが部分的に剥離した。
水洗の勢いで、部分的に赤カビが剝げ落ちた印象。
時間の経過により、この領域は少しずつ拡大。
3.剥離部分には尿石の再付着は起こらなかった。
実験開始から1年半くらい経った頃、スポンジで擦ってみました。 赤カビの層は、スルリと落ち、便器の地肌が現れました。
ほとんどの尿石が消滅していました。「水溜り」の頑固な尿石も、少なくなっていました。
う~ん、便器は綺麗サッパリとなったのですが、心はスッキリしません。
なぜ、尿石の再付着は起こらなかったのか?
三回目の実験(2023/11/9~2024/5/2)
この5年間の実験で、赤カビの効果が確認できました。
少なくとも以下は言えるんではないでしょうか。
-
赤カビの産生する化学物質が尿石を除去する
-
流水量の差が尿石の付着程度に影響を及ぼす
1は私の手に負えないのですが、2は何か出来そうな気がします。 さらに事実上、我が家ではトイレ掃除の手間が省けるため、もう実運用状態です。
これらの事から、今後も経過観察を続けます。
その前に、「縁」の尿石対策を行いました。 市販されている「ゲルテープ」を縁に貼り付けました。
このテープで尿石をブロックする作戦です。
「ジット」という会社のゲルテープ【写真、上】が良いですね。約千円。
これをピンクの部分【写真、下】に貼り付けます。
このテープの良い所は、
-
片面接着タイプ
-
テープ幅が50mm
これがお薦めです。


実は当初、ダイソーの100円、ゲルテープを使ってみたのですが、
-
両面テープで使いづらい
-
浮きが発生する(青部分)【写真】
-
長さが足りない。120cm
-
幅が20mmで細い
やむなくボツとなりました。
これで、準備が整いました。 現在、三回目の実験中です。

懸念
ただ、「便器がキレイになり過ぎた」点を懸念しています。
過去の実験では、ある程度の尿石が付着していたので効果が確認できました。 しかし、今回はあまりにサッパリしているので評価できないのです。
さて、どうなりますか。
実験結果
2024/5/2、三回目の実験を終了しました。
別頁にて、経過を説明しています。 ご興味のある方はご覧ください。
(閲覧注意)
総括
赤カビ、黒カビの区別無く、バイオフィルムが形成されれば、尿石付着は防止できる
残念だった点
-
赤カビのバイオフィルムが形成されなかった。
-
ジットのゲルテープが硬化して剥がれ落ちてしまった。
ネットで分かった事
-
赤カビの正体は、ロドトルラ。(酵母の一種) 紅麴でもカビでもない。
-
黒カビは好気性、水中では繁殖できない。(注)
-
黒カビはミネラルを必須とする。(注) (ただし、赤カビに関しては適当な資料が見つからず。生物なのだから必須だとは思うが。)
-
黒カビはアレルゲンになる。 赤カビに関しては、食べない限り問題ないようだ。
(注)カビ対策マニュアル(文部科学省)
https://www.mext.go.jp/b_menu/shingi/chousa/sonota/003/houkoku/08111918/002.htm
なぜ赤カビが繁殖しなかったのか?
あくまでも、私の仮説です。
赤カビは定着力が低いと思っています。 物理的な足場が無いと定着できないのでは?
実験前の十数年間で、かなりの尿石の蓄積があり、それが赤カビの「取り付く島」となっていたのだろうと思っています。 しかし、前回2度の実験で尿石が完全に除去されたため、赤カビの足場が無い状態だった、と言うのが私の考えです。
また、以前は勤務していたので日中不在で、便器が乾燥し尿石が付着し易い状態だったとも思っています。
ただ、可能性は低いのですが、今回の実験開始が11月と寒い時期だったのが影響しているのかも知れません。 そこで、ダメ押しで4回目の実験に入りました。
四回目の実験(2024/5/3~7/2 )
10月までに結果が出ると思います。 夏場に向けてテストしていきます。
普通に考えて、黒カビに軍配が上がる事になるでしょう。 心情的には赤カビ推しですが。
乞うご期待。
実験結果
2024/7/2、四回目の実験を終了しました。
別頁にて、経過を説明しています。 ご興味のある方はご覧ください。
(閲覧注意)
所感
もう何と言うか、完璧ですね。 この6年間の経験で、「カビの気持ちが解る大人」になってしまいました。 今後は、夏目尿石(初代)を名乗りたいと思います。
ところで最近時、青カビ混入サプリが話題となっていますが、あの会社には「カビの気持ちが解る者」が居なかったのでしょう。 ならばいっそ社名を変更されてはどうでしょうか?
「××製薬」⇒「××製毒」とか。 製毒会社なら誰も文句は言えない訳です。
(私も毒を吐いてしまいました。すみません。)
で、まとめましょう。
6年間の総まとめ
皆さんのトイレはどの様な状況でしょうか?
-
【状況】便器に赤カビが生えた場合
-
【判定】尿石が蓄積している!
- 【対応】
-
-
赤カビを暫く放置し、尿石を分解しましょう(下記1参照)
-
カビ取り剤の使用は不可(下記2参照)
-
サンポール等の尿石除去剤は要注意(下記3参照)
-
【状況】便器に黒カビが生えた場合
-
【判定】尿石は蓄積していない
-
【対応】
-
-
黒カビはアレルゲンになる可能性があるので、即掃除(水洗い)
-
カビ取り剤の使用は不可(下記2参照)
-
サンポール等の使用は不要
なぜ、尿石が付いたのか? その対策は?
1)尿石付着の原因
原因は、もちろん尿ですが、便器が清浄で乾燥している程、尿石が付着し易い訳です。
これを防ぐには、「大量の水を流す」「食器並みに洗う」等を行えば良いのですが、コスト、手間を考えると現実的ではありませんよね。
では、どうするか?
この6年間の実験で、赤カビが尿石除去に有効な事を実証しました。【下図】参照。
赤カビの働きで(1⇒2⇒4A⇒4B)の流れで尿石が消滅します。
でも、見た目が不気味で不利です。
私なら平気ですが、世間一般のご家庭では実施は困難です。
だからと言って、防カビ剤は使ってはイケません。(1⇒2⇒3A⇒3B)で、さらに尿石が蓄積します。 我が家で発生していたのは正にコレです。
ですから、絶対に防カビ剤はNGです。
私の実験では、極限まで赤カビを増殖させました。 実験なのですから、極端な状況を作り出す必要がありました。
しかし、一般家庭で実施するのであれば
「ちょっとだけ、赤カビを生やす」
この方法をお薦めします。

2)尿石対策の具体策
「ちょっとだけ」と言われても・・・困りますよね。
要するに、スポンジでゴシゴシと洗うのではなく、「ふぁさ~」と撫でる様に洗うのです。
イメージとしては、
-
赤カビを目立たない様にする(美観)
-
直ぐに赤カビが復活できる様にする(赤カビ温存)
-
便器の地肌を露出させない(尿石防御)
こんな感じです。
できるだけ「掃除しましたよ感を出しつつ、赤カビを温存する」作戦です。こうやって「尿石除去効果」「尿石付着阻止」を期待する訳です。 ところが、実際にやってみると、スポンジでは難しい事が分かりました。(実は、洗面所で赤カビを繁殖させています) お薦めは、硬めのブラシです。 擦る方向を一定に保ち、するり、するりと擦るとキレイに仕上がりますよ。
加えて、トイレの照明を暗くして、赤カビが目立たない様にするのもアリでしょう。
皆さんも色々工夫してみて下さい。
3)既に付着した尿石をどうやって取り除くか?
「サンポール」は、あまりお薦めしません。(私なら赤カビを数年間、生やします)
しかし、頑固な尿石をとにかく何とかしたいのなら、サンポール以外は有りません。 ただし要注意ですよ。【図】参照
これは、便器の断面図です。
(1)でサンポールを散布し、
(2)で尿石を溶かし込み、
(3)で高濃度の尿石が溶けた状態です。
しかし、(4)で水溜りに接触した瞬間、酸性度が低下し、尿石が「析出」(せきしゅつ)してしまうのです。
昔、化学の実験でヤリましたね。 結局、尿石が水溜りに移動しただけです。 これでは意味がありません。

このように、サンポールを使用する場合は、廃液を紙で拭い取る等の対応が必要です。 くれぐれもお忘れなき様お願いします。
それから、カビのバイオフィルムが残っていると、サンポールの効果が弱くなります。散布の前に、ゴシゴシとカビを落としておくのが重要です。
日々の行い
もう一つ、小技があります。 尿石の付着が軽減できます。 あくまでも減らせる方法です。
尿石を予防できる訳ではありませんので、ご留意下さい。
その方法とは、
「小用の前にちょっとだけ水を流し、便器を湿らせておく」です。
ちょっと、実験してみましょう。【写真】参照
便器に水性塗料をポトリと落としてみます。
【写真、左】乾燥した便器です。しっかりと塗料が付着します。
【写真、右】湿らせた便器です。水の膜が塗料を分散させています。
この様に、小用の前に便器を湿らせておけば、水の膜のおかげで尿石の付着が、やや軽減できる訳です。

でも、大抵の男の人は面倒臭がってヤリません。 やってくれる人は少数派です。
もし、あなたのハズバンドが前者なら、こう言って説得されてはいかがでしょうか?
妻:「ファンデルワールス力(りょく)なのよ! ファンデルワールス力が尿石をくっつけるの。 だから、オシッコの前には便器を湿らせておくのが有効なのよ。」
すると、旦那さんは、
夫:「うっ、ファンデルワールス力(りょく)か! ファンデルワールス力には逆らえないなぁ。 わかった。今度から、ちゃんと水を流すよ。」
森羅万象を司る力のひとつ、ファンデルワールス力(りょく)を出されたら、それはもう納得する以外の選択肢は無いのであります。 だからと言って、ファンデルワールス力には「夫婦和合」の効果はありませんので。念のため申し添えておきます。
(おわり)
改廃履歴
'24.7.4 実験結果4他を追記
’24.5.5 実験結果3を追記
’24.4.17 初稿
【関連記事】
節約犬「はなちゃん」: 犬を買う前に保護犬もご検討下さい。
ラード・キャッチャー: お金をかけず流し台を詰まらせない方法。
2/3計画: ゴミ捨ての回数が減らせマス。
ソーラー湯たんぽ: 太陽熱で湯たんぽを温めます。
断熱ふすま: 襖のすきま風を抑えて、光熱費を節約します。
こちらの記事もいかがでしょうか?
理科子の生活費: 節約ラブを貫く理科子の生き様とは。
ちょっとだけ痩せてみた: 簡単確実、無料、苦労知らずのダイエット。効果は、ゆっくり。
防災用品2: 車のバッテリー上がりを予防し、いざという時に備えます。


