蚊マニア入門
世間には、「カー・マニア」は沢山います。一方、「蚊・マニア」は世にも稀な存在です。この頁では、ある「蚊・マニア」の活躍をご紹介します。そして、理科子は蚊の駆除に執念を燃やします。LED誘蛾灯の欠点を克服する手段も解説しています。
蚊マニアがいた!
4,5年前の事です。
「蚊が好きな高校生が、蚊の生殖行動を解明した」とニュースになりました。
・・・この説明は分かり難いですね。
あまりにレアな出来事なので、誰もイメージできないと思います。
もう少し詳しくご説明すると、
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「蚊」を「カッコイイ」と思う高校生(男子)が居ました。
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彼は蚊を特製の虫かごで飼育する程の熱の入れようです。
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しかし、彼自身はあまり蚊に刺された事がありません。
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一方で、妹さん(高校生)は頻繫に蚊に刺される体質です。
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そこで、妹さんの靴下を借りて、虫かごに入れ、蚊の行動を観察しました。
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蚊の行動
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妹さんの靴下に取り付いた蚊♂が興奮
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蚊♂が蚊♀と交尾
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蚊♀が吸血行動を開始
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(この生殖活動が初めて明らかになった)
最後に彼は、「いつか人間と蚊が仲良く共存できる世界になるといいですね」と理想を語っていました。
どうですか?
私は、このニュースを見て、「ド変態虫(注1)や。女子高生の臭い靴下で興奮する変態虫や」としか思えませんでした。 でも、蚊の生態を初観察した成果は評価します。 すごい発見です。
しかし、このニュースは、これで私の視界からは一旦消えた訳です。
(注1)蚊は、卵->ボウフラ->サナギ->成虫、と変態するのですが、成虫になってからも「変態趣味」です。生涯を通じて変態を貫き通す。 そんな一徹な生き様なんです。 ただただ迷惑な変態野郎なんです。
新たな疑問
その後、暫くして、こんな疑問が湧いてきました。
「なんで、女子高生の居ない我が家で、蚊に刺されるんじゃ?」問題です。
もしかして、私は、女子高生と同じ匂いなのでしょうか? (キャッ)
特異体質とか突然変異とか・・・んな訳ないですよね・・・はは。
でも、べつに女子高生が居なくても蚊に刺される場面は多々あります。
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部活の後
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河原のBBQ
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新橋ガード下の飲み屋
要するに、「臭けりゃ何だっていいんだ」というのが、今のところの結論です。
ところで、脂臭さ、汗臭さ、酒臭さ、というのは、活動性を象徴するものです。 新鮮な血液を欲する蚊♀は、この匂いをターゲットにするんだろうなぁと想像できます。
では、「加齢臭」はどうでしょうか? この匂いは、古臭さを暗示するものですから、蚊も惹かれないと思われます。 どう考えても新鮮ピチピチな血液が得られるとは思えないからです。
実験しましょ
さて、今年も蚊のシーズンがやって参りました。 ちょっと実験してみましょう。
今年は面白ツールを用意しました。 「LED誘蛾灯」です。(アマゾンで購入)
紫外線発光LEDを使って虫を誘引し、感電死させる物です。 去年までは蚊が嫌でビクビクしていましたが、今年の夏は何と言うか、一味違ったモノになりそうですよ。

誘蛾灯の実力は?
実際に一晩外に置いてみると、大量に虫がとれました。
昔、蛍光灯タイプの誘蛾灯を買った事がありますが、これ程の捕虫能力はありませんでした。
しかし、確かに蚊は取れましたが、それ以外の虫も殺してしまいました。 駆除したいのは蚊だけなので、他の虫さんには申し訳ない事をしてしまいました・・・。

小さな蛾がたくさん入っています。 この蛾の幼虫が、米びつに生息しているのをご覧になった方も多いでしょう。 この蛾、「ノシメマダラメイガ」と言うそうですが、私は「米喰い虫」と呼んでいます。 これも迷惑な虫です。 蚊も米喰い虫も一度に駆除できるのなら、有難いですね。まさに、一石二鳥と言うものです。

しかし、肝心の蚊が少ない気がします。
これには理由があり、【写真、左】の様に誘蛾灯内部の電線に虫が触れ、感電死するのですが、死んだ虫はそのまま電線に張り付いた状態になります。その後、【写真、右】のブラシで掻き落とす訳ですが、この時に、蚊がバラバラになってしまい、判別できなくなるのです。
つまり 、蚊は造りが華奢なんです。

そこで、目の粗いネットで覆う事を思い付きました。 昭和の子供達が魚やトンボ取りに使った「網」のイメージです。 ところが、今の捕虫網は目の細かいハイスペックなものばかりなんです。 他にも探してみましたがなかなか適当なものがありません。
でも、なんとか「洗濯ネット」が使えそうです。 これを使いましょう。
他にも、
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誘蛾灯にラップを巻き、虫が侵入しない様にする
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誘蛾灯の後ろに粘着シートを置き、そこで捕虫する
こんな対策をして実験してみました。
【写真】洗濯ネット「なし」。
ガガンボ等、大型の虫を捕獲してしまいました。ごめんね。

【写真】洗濯ネット「あり」。
狙い通りです。 大型の虫は捕獲していません。これで安心して実験が続けられます。 も う、無駄な殺生はしなくて済みます。

実験テーマ:「蚊は臭い靴下に集まるのか?」
「女子高生の靴下」に比べロマンチックさ